今回は先日のSWELLで発表されたRippleプロダクトの1つであるxRapidが商業利用されたことに合わせて、支払い(Payment)と決済(Settlement)の違いについて解説したいと思います。
金融機関で働いていない私たちのような一般人にとってなかなかこの違いを意識する機会はありません。
しかし、xRapidが改善する国際送金の問題はこの2つの違いをしっかり理解しておく必要があります。
Rippleが行うことをこの記事で理解を深めてRippleが目指しているビジョンに少しでも入り込んでいただければと思います。
決済と支払の違いを解説する前にそれぞれがどのような意味で使われているかを解説していきます。
決済(Settelment)とは?
決済とは資金の移動によって代金を支払い取引を完了させることを指します。
普段の私たちの生活で現金を利用して買い物をする場合が分かりやすい例です。
取引(買い物)が行われるその場で資金の移動と対価(モノ・サービス)を受け取ることができ、取引は完了します。
決済が完了するということはお互いに受け取るべきものは受け取った、ということになります。
支払(Payment)とは?
支払とは資金移動の指示と指示に合わせて実際にお金を移動させる行為のことを指します。
支払の分かりやすい例としてはクレジットカードでの買い物が支払にあたります。
お店でクレジットカードを使って支払を行った場合、その場ではお店側は代金を受け取っていません。
しかし、支払を行った側(お客さん)は対価(モノ・サービス)を受け取ることが可能です。
では、お店側はどうやって代金を受け取るかというと、仲介業者であるクレジットカード会社が支払の指示を基に支払側の口座からお金をお店側に移動させることで支払いが完了します。
決済と支払の違い
ここまでの解説でピンきた方もいらっしゃると思いますが、決済と支払の違いは、実際のお金の移動かお金を移動する指示かの違いになります。
決済ではお金の移動が完了するのでお店側もお客さん側も代金を支払うという行為に対してリスクを負うことはありません。
しかし、支払の場合はお金を移動させる指示から実際に代金としてお金が移動するのにタイムラグがあります。
すると支払ではお店側が代金を受け取るまで代金が得られないかもしれない、というリスクを負うことになります。
お店側のリスクという点では決済と支払には大きな違いがあるといえるでしょう。
エンドユーザー目線では違いが見えにくい
実はこの2つのことは、お客さん側の目線で見ると違いが非常に見えにくくなります。
なぜなら、支払でも決済でもお客さん側は対価(モノ・サービス)をその場で受け取ることができるからです。
実際のお金の移動が起きるタイミングに違いはありますが得られるものについては変化がありません。
そのため、お客さん側の目線で決済システムなどのメリットを力説されても実感がわかない方が多いことも事実です。
お客さんとお店をxRapidに当てはめて考える
ここでお客さんとお店をそれぞれ銀行に置き換えてみましょう。
お客さんが送金する銀行、お店がお金を受け取る銀行です。
銀行間のお金のやり取りは支払と決済両方が活用されています。
決済については実際にお金が移動してくるので多少リスクが減りますが、支払についてはお金の移動がいつまでに行われるのか、確実に行われるのかなどのリスクがお互いの銀行にのしかかります。
しかも、このやりとりが国をまたいだ場合はより多くの手間(手数料)や時間がかかってしまいます。
xRapidでは支払→決済までのプロセスを高速化して数日間かかるような国際送金でも数秒で完了させてしまうシステムになります。
xRapidは決済リスクを最小限に抑える
送金上の手間はxRapidのネットワークが最小限に抑えてくれるので手数料もグッと抑えられます。
すると、これまでリスクの高かった支払というプロセスに対して一気に改善をすることが可能になります。
お金の移動が素早くなるので私たちのような一般ユーザーにとっても大きなメリットとなります。
手数料が浮いた分銀行は利益を確保できますし、エンドユーザーの私たちも満足する、これはまさにwin-winな関係といってもよさそうです。
まとめ
今回は決済と支払について解説し、xRapidに当てはめたときにどのようになるかを合わせて解説しました。
支払から決済までのプロセスが高速化されていくと実際には手順を踏んでいても私たちのようなエンドユーザーには決済レベルのことにしか見えずありがたみを感じないかもしれません。
Rippleが目指すのはそうした改善された送金システムであるということを理解していただければと思います。
ではでは