どうも、ぱらと(@ParatoCrypto)です('ω')ノ
今回はmijinに実装予定のアグリゲートトランザクションについて書きたいと思います。
アトミックスワップ同様、異なるブロックチェーン上での取引を可能にする機能ですが目的は同じでもやり方は少し異なります。
どのようにして取引を進めるのか見ていきましょう。
アグリゲートトランザクション(aggregate transactions)とは?
アグリゲートトランザクションについては、COMSAのWhitepaperに概要が記載されていて、要約して言うと”複数のトランザクションを1つのトランザクションとしてまとめて、マルチシグ(複数署名)が成立した段階で同時に決済(処理)する”ということになります。
処理の結果だけを見るとアトミックスワップと非常に似ています。
アグリゲートトランザクションでも異なるブロックチェーン上での取引を可能とする機能であることは間違いありません。
アグリゲートトランザクションがアトミックスワップと異なる部分は1対1の取引に対してだけではなく、複数の取引に対して同時に決済(処理)を進めることが可能という点だと思います。
COMSAのWPに載っている図を例にどういう流れで取引を行うかを説明します。
【AliceとBobがしたい取引】
Aliceは1BTCをBobに送金して対価の30万JPYを受け取りたい
仮想通貨の送金にはネットワークの手数料が必要です、今回の場合はNEMのブロックチェーン上で取引を行うためXEMによる支払いが必要になります。
しかし、BTCの送金を行うAliceはXEMを所持していません、どのようにして手数料を支払うか?
それはCOMSA(Zaif)がNEMでXEMでのネットワーク手数料の支払いを肩代わりします。
AliceはZaifが肩代わりしたXEMと同額のBTCを支払いネットワーク手数料が支払われたことになります。
さらにmijinがBTCの送金およびJPY送金を処理するための署名を行います。
この取引において必要な取引は以下の4つ
AliceがBobに1BTCを送金する署名
BobがAliceに30万JPYを送金する署名
COMSA(Zaif)がNEMネットワークにXEMで手数料を支払う署名
AliceがCOMSA(Zaif)にBTCで肩代わりされた手数料を支払う署名
この4つの取引の署名(マルチシグ)が同時に処理されて取引の決済(処理)も同時に完了することで見かけ上はAliceがBobに1BTCを送金してBobはAliceに対価の30万JPYを支払ったように見えるわけです。
実際には例に挙げたような1対1の取引だけでなく他の複数のトランザクションを巻き込んで一気に取引を決済(処理)するためmijinでの取引速度は非常に早いものになります。
その速度は秒間4,000件(理論値)となり、現在開発が進められているシステムの中では最速になるはずです(/・ω・)/
アグリゲートトランザクションによって解消される問題
通常の取引と比較してアグリゲートトランザクションを利用することで第3者による信頼なしに当事者同士で取引が可能になります。
これは先ほどの取引例でいうとAliceとBobは取引所という仲介者なしにお互いを承認して取引を完了させることができるというわけです。
本来であれば取引所を通じて仮想通貨の売買を行いますが、アグリゲートトランザクションではmijinを通しはするもののそこにはmijinの介入はありませんので第3者による信頼なしに取引を進められるということになります。
アトミックスワップとの違いは?
取引の説明でも書きましたが、アトミックスワップとの違いは複数の取引を同時に完了させられる点が大きいと思います。
また、アトミックスワップと違い直接異なるブロックチェーン上で取引を完了させるわけではなくあくまでmijinの中で取引を進める点も違いますね!
mijinのアグリゲートトランザクションはCatapultで導入されたあと、NEMのパブリックチェーンにも 導入されることが決定しています。
今後の開発にも目が離せませんね!
ではでは